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■東金学寮セミナーから生まれた事業
東金学寮セミナーは、異年齢の集団で家庭でもなく学校でもない「青年の家」に宿泊し、自校の教師でないものの指導と自らの体験によって成果を得ている。
ここに着目し、生まれた事業がある。
(1)東金セカンドスクール
この事業は受入れ事業として2泊3日学年単位で実施。午前中は学校の通常授業を行い、午後は本所において学校の学習計画に従い授業を行う。指導は本所職員と学校職員のティーム・ティーチングで実施。実施した授業は教科(図工・体育)・領域(道徳・特別活動)の授業時数にカウント。児童の興味・関心・意欲の高揚を図り、授業時数の確保もでき学習効率も高かった。この経験が学校内での児童会活動や福祉教育に生かされている。
(2)ミニ学寮
東金学寮セミナーと全く同様であるが、期間が3泊4日と短縮され、4年生から6年生までのリーダーを対象に、指導者には本所職員と当該校の職員がなり、リーダー養成の目的で実施されている。
■今後の方向
・本事業は、現在学校単位に実施しているが今後は複数校の児童、異校種の児童生徒の集団で実施したい。
・全体のプログラムを検討し、指導者に一般の社会人を活用していきたい。
・本事業と東金セカンドスクールを併せたプログラムを開発したい。
・不登校児にも対応可能なプログラムの開発にも努めたい。
■おわりに
東金学寮セミナーは、家庭の教育力を見直そうという観点から実施してきたが、家族の不在体験をとおし、改めてお互いの立場を省み、生活の在り方、家族の在り方、家庭教育の在り方を見直すよい機会となった。
また、子供も長期にわたる集団生活から自我の崩壊を経験し、新たな自我を構築するなど著しい成長をとげている。
このようなことから本事業の設定は時宜を得たものと考えられる。
まだまだ多くの課題が残されているが、本所として創意工夫を重ね、ほんとうの意味で学社融合を目指した事業となるよう努力していく所存である。今後の事業推進にあたり諸兄の指導を頂ければ幸甚である。

 

 

 

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